パッケージデザインの入り口

パッケージデザインの入り口おすすめの参考書
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小玉文さん著「パッケージデザインの入り口」を読みました。

2021年9月発行。

パッケージデザインに関する本ですが、特に専門的な知識がなくても楽しめる本です。
いろいろな角度から考え抜かれたアイデアの凄さ、世の中を良い方向に導こうとしているパワーを感じました。

2021年発行の参考書なので、紹介されているパッケージも新しいものばかり。
海外の商品や普段目にしないデザインが多いのもポイントです。

今回の記事の内容

「パッケージデザインの入り口」というデザインの参考書を読んで感じたことを書いています。

gaogao
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この本で紹介されているパッケージデザインの仕事を獲得するのはなかなか難しいと思いますが(大手の企業だったり、パッケージに大きめの予算が取れる会社との取引が必要なため)、パッケージデザインに関するアイデアや役割、より俯瞰した視点でパッケージデザインとはそもそも何なのか?などなど色々と考えさせられました。おすすめの本です。

パッケージデザインの入り口

この本の内容をざっくりと

この参考書は4つの項目に分けて国内・国外の様々なパッケージデザインが紹介されています。

誰もが見たことのあるメジャーな商品もありますが、マイナーだけどすごくこだわっている商品や、市販ではあまり見かけない商品が多数紹介されています。

その他にも、部分的にコラムが入っていたり、資料編としてパッケージデザインアワードの紹介サイトや、海外の紙の会社、フォント販売会社、印刷会社などが紹介されています。
こういう情報が地味に嬉しいです。

パッケージってそもそも何だっけ

本の内容を参考にパッケージの役割について考えてみました。

  • 商品を守る
  • 裸でプレゼントするのも素っ気無いので気持ちを込めて包んで贈る
  • 中身の良さを想像させる(実際の商品より良く見えてしまう場合もあって難しい)
  • 商品をしっかり守りつつ、開けやすい(ユニバーサルデザイン)
  • ゴミをなるべく出さない地球にやさしい素材を使う。未来のことを考えたパッケージ作り(QRコードとリサイクルマークだけのお茶のデザインもありました)

パッケージの役割はこんな感じでしょうか。もっとあるかも。

僕が会社員の頃に、印刷会社の方が時々プレゼンをしに来てくれて、その一つに日本のパッケージの始まりは「風呂敷」だったという話がありました。
風呂敷があれば一升瓶を包んで結び方に工夫して取手を作って運ぶことができる。
また、箱型の物も包んで渡すことができる。みたいな話でした。(実際に風呂敷で一升瓶や箱を包んでプレゼンしていました)
万能なパッケージ「風呂敷」。
デザインうんぬんというよりは生活に役立つパッケージ、パッケージの本来の機能について考えさせられました。

そんな感じで、この本もパッケージの役割について、いろいろな視点から分かりやすく書かれています。

パッケージと少し話が逸れますが

コラムの中の一つが印象的だったので紹介します。

UDフォントってなんなん?

普段はモリサワフォントを使ってデザインの仕事をしています。
モリサワフォントの中には「UDフォント」というものがあります。

例えば「新ゴ」というゴシック体のフォントがありますが、ほぼ同じ形状のフォントで「UD新ゴ」があります。

UDフォント,新ゴ,モリサワフォント

僕は新ゴを使う時はこのUD新ゴを使っています。(上の画像の1段目が通常の新ゴ、下がUD新ゴです)
通常の新ゴと比べて数字の形状が横にスマートなので使いやすく重宝しています。

それくらいの認識しかありませんでしたが、UDフォントのUDはユニバーサルデザインという意味だそうです。知らなかった。

確かによく見ると、UDフォントの方が濁点が読みやすかったり、文字が潰れにくい形状になっていたり、数字の隙間の空間を広く取っていたりして、読み間違いの無いように工夫が凝らされています。

gaogao
gaogao

ユニバーサルデザインの意味は「すべての人のためのデザイン」。年齢や障害の有無、体格、性別、国籍などに関わらず多くの人にとってわかりやすく、使いやすいデザインとのこと。

本の中ではUDフォントを使っているパッケージも紹介されています。
こういうフォントは今後普及していきそうですね。

読みながら感じたこと

僕自身はパッケージデザイナーを名乗っていますが、この本を読んで少し恥ずかしくなりました。

僕が仕事でしているパッケージデザインは、かなり表面的な(2次元的な)デザインだなと。
パッケージデザインの仕事の中の一部という表現が的確かもしれません。
箱の形状や紙質、可能な表面加工などは、依頼いただいた際には予算の関係である程度決まっていて、仕事としては表層のビジュアルを考えることがほとんどです。

この本で紹介されているパッケージは、パッケージの形状や紙の素材まで提案して商品化されています。アイデア+パッケージの形状+紙の素材=デザインという感じです。
こういう仕事ができるのは、ある程度予算に余裕がある仕事でないと難しいですし、フリーランスのパッケージデザイナーに依頼するとなるとかなり有名な方に限られてきそうです。

と羨んでもしょうがないので、限られた条件の中であっても、この本で書かれたパッケージの考え方を参考にしてより視野を広くして頑張っていこうと思います。

自分の経験や感じたことを踏まえて書きましたが、パッケージに興味ある方におすすめの本です。
シンプルに面白い本です。