今年に入って筆文字ロゴや題字のデザインを仕事にしたいと思い立って、練習したりコンペに参加したりしています。
筆文字のロゴ制作に関する参考書が欲しくなり、本屋さんで1冊購入しました。
この参考書がとても良かったので今回ご紹介したいと思います。
筆文字ロゴの作り方が丁寧に書かれた参考書のご紹介記事です。

「筆文字のロゴを作ってみたい!」と思う方におすすめの1冊です。
プロの筆文字ロゴの制作風景が見れます
ご紹介する参考書は、美登英利さん著「デザイン書道マニュアル」です。
著者の美登英利さんはグラフィックデザイナーで広告やロゴタイプをデザインしている方です。もともと「書」の専門家ではなく、仕事で必要性があったため試行錯誤しながら筆文字ロゴの制作をしてきたとのこと。
表紙に『書道経験がなくても「いい文字」は書ける。』と書かれています。
元々は専門家ではなかったけど、今では筆文字ロゴのお仕事を多数されているので説得力があります。
これから始める人でも勇気の出る言葉です。
参考になったところ
プロの仕事風景や「書」を仕事するにあたっての考え方などが書かれています。
絶対にこの方法が良いというルールのようなものは無いようです。
著者自身もおそらく、まだまだ終わりのない答えを探求しているように感じました。
個人的にとても参考になったことが3つあったので書いていきます。
筆の種類の紹介
本の中ではさまざまな筆を紹介をしていました。
- 書道用毛筆
- 油彩筆
- 竹筆
- 割り箸
- フェルトペン
- クレヨン
- 指
特に割り箸と指にはびっくりしました。竹筆は書道具を売っている専門店にあるそうです。他にもタブレットを使って毛筆のアプリを使ったりと多彩です。
求められている文体に応じて筆を変えているようですが、本当に自由に考えていいようです。
それぞれの道具で書いた作品が多数掲載して見ているだけで楽しくなります。
これくらい書けるようになるといいなあー。
筆文字のロゴを制作する上での考え方
この本で書かれている書の書き方は著者が「創作書」と名づけた方法とのこと。
たくさん書いた中で、たまたまうまくできた字を組み合わせて制作しているそうです。
実は僕自身も本を読む前からこの方法を取っていました。理由としてはひと息で2文字3文字と続けてうまく書くのは難易度が高いこと、それと以前勤めていた会社で筆文字を得意としていた方もこの方法で制作していたからです。
もしかするとメジャーな方法の1つなのかも知れませんね。
本書で書かれていましたが書には「書の個性」というものがあるそうです。
- 字系(字そのものの形)
- 肉づき(にじみ、かすれ、細い・太いの強弱)
- 字配り(字間、行間)
この書の個性をベースに、いかにしてオリジナリティーを出しつつ(崩して書く、強弱をつけるなど)、バランスをとっていくのかが重要なようです。
この本で紹介されている作品を見ると、1つの筆文字ロゴを作るにあたって、かなりの枚数を書いているのが感じ取れます。
一定のレベルに達するほど習得するには、一朝一夕には行かずなかなか時間がかかりそうです。
既存のフォントとの組み合わせ、バランス、展開をたくさん考える
たくさん書いた筆文字の中からいくつかの候補を選んで、さらに既存のフォントとの組み合わせで展開するパターンをいくつも作っています。

上の画像は僕が練習で書いた文字です。既存のフォント(英文字)とハンコを追加して構成しています。こういった英文字とハンコ(もしくはシンボルマーク)の展開パターンが多数見れて勉強になりました。
色々なパターンを試してじっくりと推敲する。この時間も大事ですね。
真似しながら練習しました
あれもこれもは難しいので、僕はひとまず割り箸と筆ペンをメインに使ってひたすら制作しています。
下の画像は残念ながら不採用のデザインです。


まぐれでコンペに採用されたものもあったり、ご依頼をいただいた仕事も少ないですがあったりと、ほんの少しだけですが仕事の幅が広がっています。
ロゴ制作はある程度長い時間使用されるデザインなので、使っていただけると嬉しいですね。
まとめ
これから筆文字のロゴ制作を始めようと思っている方や、題字の制作をしようかなと思っている方におすすめの1冊です。
「筆を使った文字の書き方」みたいな参考書はたくさんあります。そういった本は字の書き方(習字のような)について書かれていますが、ロゴデザインという観点での本ではなかったりします。
そんな中で「筆文字でロゴを制作する」参考書はかなり貴重です。
個人的にすごくおすすめの本ですので、気になった方は手に取ってみてください。
また、筆文字のロゴ制作に関しては、他にも記事を書いていますのでチェックしてもらえると嬉しいです↓