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【カラーチップ】DICカラーなどの特色について

【印刷/カラーチップ/DIC】特色について デザインのこと色々
この記事は約5分で読めます。

印刷用のデザインで使う「特色」について書きます。
特色はパッケージデザインで使うことが多いです。

ひと昔前はチラシでも特色1色・2色印刷をすることが多かったのですが(印刷費が安くなるので)、オンデマンド印刷が普及して最近はそこまで見かけないように感じます。

今回の記事の内容

一般的なフルカラー印刷と特色印刷の違いについてと、DICなどのカラーチップについて書いた記事です。

gaogao
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印刷の知識を知っていると最終的な印刷の仕上がりを想定しやすく、
より具体的な提案ができます。

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特色とDICカラーについて

印刷に関することなのでイラストレーターでデザインを作る方がほとんどだと思います。

まずはイラストレーターでの設定方法、その後に特色・DICカラーについて説明していきます。

イラストレーターでは色を特色設定に変更することができます。

イラストレーターで特色パレットを表示する

今回は特色の一つDICカラーガイドのパネルを表示します。

※パントンカラー(PANTONE)でも構いません。

イラストレーターでDICカラーガイドの色に設定する

イラストレーターの上部のメニューバーから
「ウインドウ」→「スウォッチライブラリ」→「カラーブック」→「DICカラーガイド」を選択。

イラストレーターでDICカラーガイドの色に設定する

DICカラーがズラッとカラーパネルで表示されます。
DICのカラーチップの番号とパネルの色番号は連動しています。

イラストレーターでDICカラーガイドの色に設定する

3色ほど適当に色を設定してみました。
せっかくですので、実際のDICのカラーチップと見比べてみたいと思います。

DICカラーガイド

これが実際のDICのカラーチップです。

DICカラーガイド

こんな感じでたくさんのカラーチップが束になっています。

DICカラーガイド
DICカラーガイド
DICカラーガイド
DICカラーガイド

先ほどイラストレーターで作った3色と、実際のカラーチップを見比べてみると、ほぼ似たような色になっています。

厳密に言うと、ちょっと違いがありますが、大体似たような色をカラーパレットから選ぶことができます。

gaogao
gaogao

通常のフルカラー(CMYKのプロセスカラー)印刷の場合は、特色設定を使っていると印刷会社からNGを受けてしまいますので、入稿ファイルではCMYKに色分解しておきましょう。

フルカラーと特色の違い

CMYKと特色の印刷の違い

印刷された物をルーペなどで拡大して見ると、上記の左側のようにシアン・マゼンダ・イエロー・ブラックの4色で色が構成されていることがわかります。上の画像はざっくりと作ってますので大まかなイメージとして見ていただければと思います。

特色で印刷された物を見ると右側のように特色1色だけの円形が並んでいます。
特色は色ブレが少なく色をあざやかに出せる点が魅力です。

CMYKは4つの色を混ぜて色を表現しますが、特色の場合は1色だけを使って表現するので、ほぼ色ブレがありません。

特色印刷のメリット

特色はどう言った場合に使うのか?と言う疑問があると思います。
特にパッケージデザインで特色を使うことが多いのですが、それは下記のような理由からです。

  • 印刷の技術的に特色で印刷せざるを得ない
  • 色数を減らして印刷費用を抑える
  • 特色はゴールドやシルバー、蛍光色などの表現が可能。発色がフルカラーよりも鮮やか

容器などに印刷する場合は1色か2色印刷がほとんどです。
印刷費用を抑える意味合いもありますが、版ズレの問題など印刷の技術的に難しいんですよね。

なんと言っても特色の一番のメリットは色の鮮やかさです。
CMYKで作成したカラーよりも鮮やかです。
また、CMYKでは表現できないカラーも印刷できます。

グリコなどの大手のお菓子のパッケージデザインは、CMYKにプラスして特色を使っているパッケージが多いです。
どのパッケージも色があざやかで、デザインに力を入れています。
ゴールドの箔押しや表面加工も凝っているものも多いです。
商品そのものの値段と同じくらいパッケージにお金をかけていると個人的に推測しています。

特色を使う際の注意点

印刷の色味の共有が大事

DICカラーのような特色と、一般的なCMYKのフルカラーは色を完全に一致させることはほぼ不可能です。フルカラーの場合は4版で色を構成しますが特色は1版。印刷する際のインクの色がそもそも違います。

僕がサラリーマン時代にやっていた方法は、一般的なCMYKのフルカラーであれば、会社でプリントアウトしたデザインを色の見本として印刷会社に渡していました。クライアントにも色見本として渡します。その色見本に合わせて印刷会社に印刷してもらうようにしていました。
印刷するプリンターによっても色味は変わってきますので、どの色を基準にするのか?と言うことが重要になります。明確な色見本の設定が必要になるんですよね。

特色を使う場合は、DICやパントーンのカラーチップを印刷会社とクライアントに渡します。
会社でプリントアウトした色味ではなくて、あくまでカラーチップが色見本になります。

共通認識である色見本を設定することで、色に関するトラブルをなるべく無くすことが重要です。

あとがき

僕は現在、ランサーズなどのクラウドソーシングを使って仕事をしているんですが、カラーチップを使ったがことがいまだ一度もありません。

特色(カラーチップ)を使う場合は、クライアントと印刷会社で色について話し合っていただくようにしています。オンライン上だけのやり取りなので、おそらくそれが一番色についてのトラブルが少ないと思います。そういった理由から今までなんだかんだで、使ったことが一度もありません。

そもそもパッケージデザインはオンライン上だけのやりとりで完結するのはなかなか難しいです。
結局最終的なアウトプットはアナログの紙の印刷物なので、パソコン上でデジタル画像だけで表現するにも限界があります。表面加工や紙質などもやはり実物の紙見本を見ていただくのが一番です。

ちなみに、DICのカラーチップは下記の商品をamazonで購入しました。15,000円くらいします。このセットは淡い色が少ないので、色数としても少し心もとないです。

https://amzn.to/2VNyKHR

他にも「日本の伝統色」のカラーチップや、パントンカラーなどのカラーチップがありますので気になった方は調べてみてください。