就活用のデザインのポートフォリオって、なかなか見る機会ないですよね。
そう思っていましたが、つい先日、クリエイティブ関連のポートフォリオが掲載された参考書を発見しました。
「デザイン・クリエイティブ業界を目指す人のための ポートフォリオ見本帳」
2019年発刊。Kindle Unlimitedでも読めます。
非常にレベルが高いポートフォリオがずらっと掲載されています。
グラフィックデザイナーに限らず、WEBデザイン、プロダクトデザイン、映像、アニメーションなど、さまざまなジャンルのポートフォリオが見れます。
注意点としては、この参考書に掲載されているポートフォリオは「新卒採用者向け」である点。
とは言え、ポートフォリオの制作例がたくさん見れますので、中途採用向けのデザイナーの方にも参考になる部分は多いと思います。
今回は、この参考書の良かったところと、僕が新卒採用の際に提出したポートフォリオについても書いてみようと思います。
この参考書で掲載されているポートフォリオと、自分が大学時代に作ったポートフォリオの差がありすぎて、読めば読むほど恥ずかしくなってきました。ですが、こんな僕でも採用してくれる懐の深い会社もありますので世の中わかりません。
「ポートフォリオ見本帳」の良いところ
グラフィックデザイン、インテリアデザイン、プロダクト、WEB、映像、アニメーションなど、ジャンルを5つに分けて、それぞれのジャンルのポートフォリオの制作ポイントが書かれています。
こういう参考書はほぼ見たことがないので、おそらくかなり希少です。
- 用紙やファイリング(クリアファイル、バインダーなど)の選択方法
- ポートフォリオを作り出す時期など、就職活動のスケジュールが細かく書かれている
- 掲載されているポートフォリオの実例は、個性的なものばかり
などなど、かなり有用です。
グラフィックデザインで言うと、バインダーの表紙が手作りで凝っているものが多いです。ファイリングよりも冊子としての製本のクリエイティブさも重要とのこと。
横型でファイリングされているものばかり
特に気になったのは、掲載されているポートフォリオの多くが、横長でファイリングされていることです。
横に広げたほうが面接官が複数いる場合でも同時に見れる点がポイントなのかも知れません。そんな気遣い思いつきもしなかったなあ ^^;
他にもファイリングのレイアウトの仕方や、デザインのジャンルによって会社が注目しているポイントが変わってくるので、そういったポイントが細かく書かれています。
2019年の参考書なのでちょっと古いですが、こういう参考書は少ないですし、今でも十分参考になる一冊だと思います。気になった方はぜひチェックしてみてください。
大学時代に作ったポートフォリオについて
僕が大学生の頃に作ったポートフォリオについても一応書いてみようと思います。
A3サイズに作品をまとめただけのポートフォリオ
大学3年の時にカラフルでリーズナブルな「imac」が登場しました。そのimacとA3サイズまで印刷できるプリンター、スキャナーをローンで購入。全部で30万円くらい。アルバイトを必死にして返済しました。
パソコンを買ったのはイラストレーターやフォトショップを使いたいという思いと、就活用のポートフォリオ作りが目的でした。
大学の授業で制作した作品をインスタントカメラで撮影。その写真をスキャナーで取り込んで、プリンターでA3サイズに印刷。全部で20作品くらいをクリアポケットに入れて完成。
なんのひねりもなく、ただ大学時代に制作したものをA3サイズのファイルにまとめただけ。
どうしてA3サイズなのか?これは「単純にでかい方がいいでしょ!」という安直な考えからです。ある意味個性ではあるかも知れませんが、ちょっとデカすぎてむしろ見づらかったかも知れません。
中途採用の面接で使用したポートフォリオ
ちなみに、中途採用の面接で使用したポートフォリオは、以前勤めていた会社で制作した制作物(チラシや名刺、冊子など)をファイリングしてポートフォリオにしていました。大学時代のポートフォリオはデザインと呼ぶにはかなり厳しかったので以降は全く出番がありませんでした。
デザインをイラストレーターやフォトショップでプリントアウトしたものもポートフォリオにしていましたが、これは面接の際にひどく怒られました。
「こういうデザインデータは会社の知的財産なので、勝手に使ってはいけない。会社でプリントアウトするのはダメだし、ファイルを家に持ち帰って家でプリントアウトするのもNGだよ。グラフィクデザインであれば、ポートフォリオにしていいのは、実際に印刷されたものだけだから、今後気をつけなさい」と。
もちろんこの会社の面接は不採用でした。自分の世間知らずさと、やっちゃいけないことをやっていたことに気づいていないことに、すごく落ち込んだのを今でも思い出します。今思えば、ちゃんと指摘してくれる優しい会社ですよね。
自分の作品を素直に出すだけでもいい
一般的に他人のポートフォリオを見る場面はあまりないですが、おそらくこの本で掲載されているポートフォリオはかなりレベルが高いと思います。
参考にして真似できそうなところは真似しつつ、一方で、この制作例にとらわれすぎる必要もないと思います。
自分が目指す会社の規模や、その会社が制作している内容によって、求められることは違ってきます。
自分の作品を素直に見てもらう、等身大の自分を見せることも悪くないと思います。