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【イラレ】オーバープリントのチェック方法とリッチブラックについて

イラレ】オーバープリントのチェック方法とリッチブラックについて イラストレーター
この記事は約6分で読めます。

Adobe Illustrator(イラストレーター)のオーバープリントのチェック方法と、リッチブラックについて書きます。

デザインを入稿する前にチェックすると安心。

リッチブラックについてはあえて使うこともあるので、その点も解説したいと思います。

gaogao
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オーバープリントについては長年の間、勘違いしていたようです ^^;

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オーバープリントとは?

まずはオーバープリントについて。

文字やオブジェクトの「塗り」や「線」にオーバープリント設定をすると、色が重なっている部分は色同志が混ざり合って印刷されます。全体的に色が変わって沈んだ色で印刷されます。簡単に言うとパソコンの画面で見た色と印刷の仕上がりの色が大きく変わります。

パソコンの画面の色のままで印刷したい場合はオーバープリントの設定をオフにします。

実はオーバープリントについては名前は聞いたことがあったんですが、デザイナー業を生業にして20年、つい最近知りました ^^;

普通にデザインファイルを入稿していても、オーバープリントが原因で印刷を失敗した、ということは今まで一度もなかったので、イラストレーターの初期設定としてオーバープリントはオフになっていると思われます。

仮にオーバープリントにチェックが入っていたとしても、印刷会社から何かしら指摘が入ってきそうです。(よっぽどのことがない限り、オーバープリント印刷にすることは無いので)

イラストレーターのオーバープリントのチェック方法について

イラストレーターのオーバープリントのチェック方法について書きます。

今回は下の画像のサンプル(商品ラベルのデザイン)を使います。

選択ツールで文字や色が入っているオブジェクトを全て選択します。(写真などの画像ファイルは選択から外してください)

イラストレーターの上部メニュー「ウィンドウ」→「属性」をクリックします。

属性ウィンドウが表示されます。「塗りにオーバープリント」と「線にオーバープリント」のチェック欄が「-」表記になっています。

一回チェック欄をクリックしてチェックを入れます。

もう1回チェック欄をクリックしてチェックを外します。

これでオーバープリントをオフに出来ました。

そもそもチェックする必要はあるのか?

他のデザインファイルもチェックしてみたんですが、例えば文字の部分だけ選択してみると、オーバープリントのチェックは外れていました。

線の部分も選択してみましたが、こちらもオーバープリントは外れています。

僕自身オーバープリントのチェックは正直な話、したことがなかったので(大丈夫だったのか ^^;)基本的には初期設定としてオーバープリントはオフになっていると思われます。

ただ、自分以外の誰か、例えば外注のデザイナーさんにデザインの一部をもらってデザインを作る場合だったり、ストックイラストの素材を使う場合など、自分以外の人が作ったファイルを扱う場合は、念の為オーバープリントのチェックをしておくと安心だと思います。

まあ、よっぽどのことがない限りは大丈夫だと思います。

リッチブラックについて

オーバープリントに関連するかどうかはわかりませんが、リッチブラックについても書きたいと思います。

イラストレーターでデザインを作る際、黒はカラーの数値がK100%(スミベタ)のものを指します。

CMYにも数値が入った状態は4色ベタ(全て100%の場合)や、リッチブラック(CMYに少し色を加える)になります。

パソコンの画面上ではこの二つは見分けがほとんど付きません。(左がK100%、右がCMYK100%)

カラーの数値を見て識別します。

ごく稀にですがチラシなどでK100%の黒とリッチブラックが混在して色の差が出ているものを見かけます。

下の画像はイメージですが、同じ黒でも濃さに差が出てきます。

もしかするとこれはオーバープリントだったのかも?

あえてリッチブラックで印刷することも

K100%の黒は広い面積に印刷する場合に、黒のインパクトが少し弱い印象があります。色が浅いと言いましょうか。

時々ですがパッケージデザインをする際にリッチブラックを使うことがあります。深い黒が演出できます。パッケージデザインは商品の顔になるものなので、色にこだわる傾向が強いです。

下の画像のようにCMYの数値を30%〜50%くらい追加します。

これは印刷会社によって推奨の数値が変わってきますので、印刷会社に事前に相談してみるのが良いと思います。

また、CMYKのすべての数値の合計が250%を超えると、インクの乾きが遅くなる(納期に影響が出る)ので、印刷会社では取り扱わないようにしていることが多いです。

また、リッチブラックはCMYKのインクを4色重ねるので、文字などの細かい面は滲んで読みにくくなります。4色を重ねて印刷しますがコンマ何ミリかズレます。その影響で文字が滲んだように読みづらくなるというデメリットがあります。

リッチブラックを一括選択する方法、チェックする方法

自身で1から作ったデザインだと4色ベタやリッチブラックは意図しないと作成できません。

その点心配することはないのですが、よくあるのはストックイラストを使う際に黒のCMYKの数値が全て高い状態になっていることです。これはおそらくRGB設定でイラストを作成してCMYKに設定し直している為だと思います。

黒色が多いイラストは一つ一つ選択するのは厄介ですので、共通のカラーを一括で選択してK100%に変更するようにしています。

白い選択ツールで黒の部分を選択して、上部メニュー「選択」→「共通」→「カラー(塗り)」をクリックします。同じ数値の色べたが全て選択されます。

選択したらK100%に数値を変更します。

CMYKの数値は微妙に違うものが複数混じっていることが多いので、K100%にしたオブジェクトは、上部メニュー「オブジェクト」→「ロック」→「選択」をクリックしてロックします。「隠す」というコマンドでも良いですが何かとトラブルの元なのでロックを個人的に推奨します。

他の黒に見えるベタ面を選択して、再度共通の塗りの選択→K100%→ロック、を繰り返して、黒は全てK100%にします。

面だけでなく線も同じようにCMYKの数値が高いものがありますのでチェックします。

これで意図しない4色ベタやリッチブラックによる印刷は防げます。

まとめ

以上、オーバープリントとリッチブラックについて書いてみました。

そこまで出番が多い知識ではないですが、知っていると役立ちますので、参考にしてもらえれば嬉しい限りです。