アトリエwebの森さんの参考書「コピペで作れるMidjourneyプロンプト集」の感想。
「人物編」と「グラフィック素材編」の2冊があって2冊ともKindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)で読みました。Kindle Unlimitedおすすめです。
電子書籍の体裁や内容から、おそらく個人出版の電子書籍だと思いますが、プロンプトの設定の試行錯誤(苦労)が垣間見えて、誠実さが伝わってきます。非常に参考になりました。
この参考書は「Midjourney(ミッドジャーニー)」と言う生成AIモデルを使って画像を作っています。僕はMidjourneyを有料で契約していないので、AdobeのFireflyを使ってプロンプトを参考に生成をしてみました。
プロンプトを実際に入力してAI画像を作っていくにあたって、参考になった点がいくつかありましたのでご紹介したいと思います。

生成AIのクオリティはまだ黎明期と言ってもいいと思います。これからどんどん進化していくことを考えると、クリエイターとしては怖いような、楽しみのような複雑な感情。
「コピペで作れるMidjourneyプロンプト集」の内容について
「コピペで作れるMidjourneyプロンプト集」はビジネスに使える画像生成のプロンプトが多数紹介されています。
最初にMidjourneyの基本的な使い方がわかりやすく書かれているので、これからMidjourneyを使って生成AIに触れる方にも安心です。
プロンプトを入力して実際に作る、実践して学ぶタイプの参考書です。
「人物編」「グラフィック素材編」どちらもですが、前提として全体的にAIっぽい画像ばかりという印象は拭えません。これはMidjourneyで作ったから、というよりは他の生成AIモデルもクオリティに大きな差は無いと思います。今回の参考書のプロンプトを使ってFireflyで試してみましたが、やはりAIっぽい画像になります。作っている時は最高にいい画像ができた!と思ってみても、冷静になってみるとやはりAIっぽさは感じます。
人物の生成は特に難しいです。
ただ、背景に使うようなイメージ画像、テクスチャ系の画像は仕事に使えるレベルです。
「コピペで作れるMidjourneyプロンプト集」を読んで参考になったところ
参考書のプロンプトを実践して色々と作ってみましたが、人物に関しては目・歯・指が特に崩壊しやすく、実用レベルではちょっと使えそうにない感じです。Fireflyは現在のモデルはかなりレベルが高いのですが、プロンプトを改める必要がありそうです。
著者自身も「商用として使う画像についてはかなり微調整・レタッチをして修正していて、生成AIを使って塗り足しをしているところも多い」と書いていました。人物に関しては現状のプロンプトで一発で良いものを生成するのはなかなか難しいので、プロンプトの調整をしつつ何度も試してみるという感じでしょうか。
下記の点は個人的にかなり参考になりました。
- 人物の生成の場合は複数人になると指などを含めてビジュアル面での崩壊が大きくなる
- 指差しの画像は難易度が高め
- 同じプロンプトでも縦長画像と横長画像で結果が変わってくる
- プロンプトは「日本人女性」よりも「韓国人女性」にした方がうまくいく場合も
- 「日本人」と入れると武士のような着物が生成されやすい。アジア人と入れた方が良い場合も
- 人物の生成AIは日の丸構図になりやすいのが欠点
- 商用利用するならGoogleの画像検索に出して似たものがないか確認するのがおすすめ
- 「日本」よりは「東京」「横浜」「北海道」などの地名を入れた方が現代風の日本になる
Midjourneyもバージョンがどんどん更新されているので、当てはまらない部分もあるかも知れません。Fireflyで言うと、新しいモデルでは「日本人」でプロンプトを指定すると、日本人らしい風貌の人物が生成されるようになりました。以前は中国人っぽい人物が生成されていたのが改善されています。
「コピペで作れるMidjourneyプロンプト集」で学んだプロンプトの新しい視点
今回の参考書2冊を読んで個人的に新しく学べたプロンプトをご紹介します。
今までのプロンプトに付け足して使えるので便利です。(背景無し、上半身に関しては英単語の入れ方の参考として)
- 「the background is a bright blurred」…blurredは背景をぼかす
- 「No background」…背景無し
- 「Upper body」…上半身
- 「Portrait of 〇〇〇」…肖像写真。ポートレート
- 「f/3.2」…カメラの絞り値。奥をぼかせる。Midjourneyのパラメーターではない。
- 「Photorealistic」…写真で撮ったようにリアルになる
- 「minimal」…静的なイラストを出したい時に
- 「SVG」「adobe illustrator」…面と線の平面的なイラストに
「コピペで作れるMidjourneyプロンプト集」のプロンプトを使ってAdobe Fireflyで生成してみました
実際に参考書のプロンプトを使ってAdobe Fireflyで生成してみました。
ぱっと見るといい感じですが、よく見ると指がおかしかったり、拡大してみると人物の目や歯が不自然だったりします。

下の2枚はかなりいい感じで仕上がりました。


下の2枚の画像も悪くないですが、拡大してみるとおかしな部分がいくつかあったりします。


プレゼンテーション用の資料などで使う分には全く問題ないクオリティーです。

手だけなど部分的なものであれば違和感が少ない。

イラストもディティールの調整が必要です。



イメージ画像の生成に関しては仕事用として使えるレベル。


まとめ
参考書を読みながら実際にプロンプトを打ち込んでみて非常に勉強になりました。コピーペーストしてもいいですが、英単語の羅列を打ち込むとプロンプトに対する理解が深まりました。
総評としては「なんとなくそれ風」には生成できますが、あともう少しという感じです。
とは言え、生成AIは勉強のやりがいがありますね。単純に楽しい。
25年くらい前のインターネットの普及は世の中に革命を起こしましたが、同じようなインパクトのある革命は以降で言うとスマートフォンの登場でしょうか。
それに続いて近年はやっぱり生成AIですね。インターネットと同じくらいの革命が起きている気はしています。
僕はFireflyで生成をしていますが、これからMidjourneyで生成AIを体験したいと考えている方、Midjourneyを学びたい方は「実践できる2冊」だと思います。是非チェックしてみてください。
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