ingectar-eさんのデザイン参考書「ほんとに、フォント。 フォントを活かしたデザインレイアウトの本」の感想と解説を書きます。
2019年2月発行。
デザインをする上でフォントの上手な使い方、コツが書かれた参考書です。
デザインの作例がとても良くて、フォント以外の部分のトータルなデザインとしても参考になります。
こんなに上手にデザインできたら楽しいだろうなあ
デザイン参考書「ほんとに、フォント。 フォントを活かしたデザインレイアウトの本」の内容について
ingectar-eさんのこの参考書はシリーズになっていて、本の流れはほぼ同じです。
新米デザイナーが作ったデザインに、ベテランデザイナーがデザインを作って添削をしていく内容。
同じ内容でデザインパターンを複数展開しているので、その部分も非常に為になります。
今回の参考書はフォントがメインということもあって、デザインに使用したフォント名が記載されています。※Adobe Fontsとモリサワフォントをメインで使っているようです。
同じフォントが無い場合は、自身のパソコンにある似たフォントで代用しても良いと思います。
シリーズ全般に言えますが、細かいデザインのあしらいのバリエーションが豊富で、ここも注目ポイント。
個人的に為になったところ
フォントには「向いている」「向いていない」使い方がある
高級感のある、カジュアルな、などフォントにもイメージに合うものと、そうでないものがあるようです。
参考書ではイメージマッピングでフォントを分類していました。
見出しに向いているフォント(ゴシック体は目立つ)、本文に向いているフォント(明朝体は読みやすい)など作例をもとに説明していてわかりやすい。
フォントを使いすぎるとまとまりがなくなる
フォントの参考書なので、いろいろなフォントを使っていますが、1つの作例に使うフォントは2〜3個。
フォントを多く使いすぎると散らかった印象を受けるので、フォントを使うときは2〜3つに留めておくとまとまる。とのこと。
あえて2つのフォントを組み合わせる
ポップで元気のあるデザインでは、タイトルにフォントを2つ組み合わせてデザインしていました。
同じように作ろうと思いましたが、同じフォントがなかったので近いフォントで代用してみました。
こういう使い方もあるんですね。
ある程度のルールに沿いつつ、遊べる部分は大いに遊ぶ。自由に楽しくデザインしていて、見る側も楽しい。
Oblique(オブリーク)について
英文フォントで時々見かける「Oblique(オブリーク)」というスタイル。多くの場合は「Italic(イタリック)」とセットになっています。
ずっと謎でしたが、この本で説明がありました。
Oblique(オブリーク体)はベースのフォントを機械的に傾けただけ。Italic(イタリック体)は傾けた際にバランスの悪さを調整している。
とのこと。
イタリック体の方がいい感じになっているようです。
まとめ
この参考書はフォントをメインにしていますが、フォントは全体的なデザインの1つのパーツです。
フォントに加えて、配色、レイアウト(余白の取り方など)で大きく全体のイメージは変わりますので、バランスを見ながらデザインするのが大事。※参考書内でもフォント以外の部分の重要性について書かれていました。
個人的に日頃から「デザインが上手くならないなあ」と悩んでいるんですが、この参考書を読んで気づきました。
「もっといいデザインに触れて、練習(模写)もしくは実践で活用しないと上手くならないな」と。
年齢を重ねていくにつれて、成長が止まっていると感じていますが、もっと色々な良いデザインを見て勉強しようと思います。
とてもいい参考書でした。
他のシリーズについても感想を書いていますので良かったら覗いてみてください↓