デザイン研究所さんのデザイン参考書「デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる」の感想と解説を書きます。
2023年8月発行。
この参考書は電子書籍で購入して読みました。
本ブログで様々なデザインの参考書をご紹介していますが、今回の参考書は新しい感覚の内容でした。
著者はデザイン系の大学や専門学校で学んでおらず、独学のみでデザインを勉強してデザイナーとして活躍されています。
独学でここまでデザインを突き詰めていけることにかなり衝撃を受けました。
「全くデザインの経験は無いけれどプロのデザイナーになりたい」という方にとってはかなり勇気をもらえる一冊じゃないでしょうか。
タイトルに核心が詰まっている感じですが、とにかくじっくりとデザインを観察すること。そこにたくさんデザインのコツが隠れているようです。
デザイン参考書「デザインのミカタ」の見方。内容について
「デザインのミカタ」はタイトル通り、とにかくデザインを観察するという点を強調した内容になっています。
「葉を見て、木を見て、森を見る」
これは著者自身が独学で勉強していて自力で発見した法則のようです。
- 葉を見る→事象を見つける(フォント、空間の開け方、配色などを観察する)
- 木を見る→なぜそうなのかを考える
- 森を見る→シーン、場所、ターゲットを分析して法則化する
『小さな範囲で要素を発見する。その要素のなぜを考える。応用できるくらいに法則化する』
デザインのミカタ
3つ目の法則化するという点、これはデザインのコツと言ってもいいかも知れません。
この法則化のパターンをいつくか知っていることで「デザインの引き出しが増える」こと間違いなしです。
最初から読者に問いを投げかけて考えるような内容になっていたり、後半はクイズ形式になっていたりと、考えながら学べる参考書にもなっています。
デザインの参考例がハイクオリティ且つユーモアに溢れている
この参考書ではかなりの数の著者によるデザインの作例が見れます。
そのどれもがクオリティが高いんですが、それだけではなくて見ていて単純に面白い。
ユーモアに溢れているんですよね。
これは著者が本当にデザインが好きで楽しんで作っているからだろうなあ。
この参考書を読みながら「そういえばデザインを作ることを楽しめてないな…。昔は楽しめていたんだけどな。」と、ついついため息が出ました。
デザインについて個人的に気になった部分
個人的に勉強になった箇所があるので僕の経験も踏まえてご紹介します。
メリハリについて
「デザインはメリハリが大事」これはデザイナーであれば誰もが知っている基本的なことです。
ただ、メリハリは大きければいいというわけではなくて、メリハリが小さいと落ち着いた雰囲気を表現できたりもします。
「メリハリはターゲットに合わせる」が正解っぽい?
その他もろもろ
他にもたくさんありますが気になった部分を抜粋してみます
- 文字を重ねるアレンジ(面、線、透過でアレンジができる)
- 文字サイズは印刷だと6ポイントが最小、webでは10ピクセル(webの最小サイズ知らなかったので参考になった)
- 中央揃えの文章は少し読みにくい。左揃えの文章は読みやすい
- 写真やイラストに使われている色を使うと全体的にまとまる
- 無彩色の使い方
- 白背景の効能
- 縦の文字と横の文字を取り入れる
「こうするといい感じになる」という方法は僕自身いくつかは知っていて、同じ内容が本書でも書かれていました。その理由が分かりやすく書かれているので「なるほどなあ〜」と納得。
デザイン参考書「デザインのミカタ」の著者について
参考書の最初に著者自信について説明が書いてあります。
- 美術大学や専門学校に行かず、制作会社への就職の経験もない
- 独学でデザインの勉強をしてきた
- フリーランス3年、法人にして6年、合計9年間デザインの仕事をしてきている
- デザイナーとして仕事ができるのは、日常に溢れるデザインに思考を巡らせ、目に見えるすべてのものをデザインのトレーニング対象として見てきたから
- X(旧Twitter)のフォロワー数が多くなりこの本を出版するきっかけになった
全くの未経験ながら独学で勉強してデザインを生業(なりわい)にしているとのこと。
とにかくデザインに対する情熱がすごい。
まとめ
この参考書を読んで一番に感じた部分は「見ているようで全然見ていなかった」ということです。
デザインの参考書を読むのが好きでたくさん購入していますし、外に出たらさまざまなデザインを観察しています。
ただ、この参考書を読んでいると「観察力が全然足りない」ということに気付かされました。
もっと時間をかけてじっくりと観察して、良いデザインのセンスを盗もうと思います。
観察するだけでもデザインのセンスを磨ける。
法則を見つけ、デザインのコツの引き出しが増える。
プロのデザイナーはもちろん、これからデザインの仕事をしたい方にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
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